大丈夫、ダメじゃないですよ。
やたらと、「普通」、「常識」、「あたりまえ」という言葉を用いる人がいます。「普通、そうだよね?」、「それが、常識でしょ?」を言葉どおりに解釈すれば、「あなたの考えは一般的ではない」と批判していることになります。そして、その“普通”は本当に普通なのか、その“常識”は本当に常識なのかという問題が出てきます。
アドラー心理学には、「私的論理」という概念があります。これは、人であるかぎり、それぞれが特有の個人的な論理 - 「何を信じているのか」、「何を望んでいるのか」といった信念を持っていることを示しています。その信念があるからこそ、私たちがすること ― つまり、あらゆる行動や感情の理由がつくのです。
私たち人間は主観的な生き物です。物事の理解のしかた、認識のしかたには時折あやまちや誤解がひそんでいますが、私たちはそれに気づきません。そこには、無意識的な信念、思考、思想、理念、目標や意図といったものがふくまれており、人によって微妙に違うものです。
ムカッとする気持ちはわかりますが、お互いの私的論理が違うんだと解釈してください。ただ、もちろん、時事的な話題や専門知識などを知らないと、困ることもありますので、素直に受け入れる部分も残しておきましょう。