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大人も勇気づけられると嬉しいものです

うまく話すためのテクニックも大切ですが、一度、次の点を確認してください。

 

あなたは「人前でうまく話せない自分はダメだ」と思っていませんか?「うまく話さなければならない」と。

 

  人間は「完全性」をめざす生き物です。しかし、私たちは神ではないので(神でも同じかも知れませんが)、その完全性に到達することは不可能ではないでしょうか。かっこう良く言えば、「人生とは、永遠に完全性の実現へと向けられた途上だ」ということです。私たちは、大なり小なり不完全な存在です。つまり、この不完全性を受け入れ、これと向き合うことが必要となってきます。

 

「人前で話しをして、聴衆の方々の反応はどうでした?」 あなたは、自分の思い通り話すことができなかったこと、声が上ずってしまったことを悔やんでいるかもしれませんが、聴衆の皆さんはどうだったのでしょうか。自分がうまく話せたかどうかより、聞き手が理解できたかが大切ですね。

 

 短所に注目すると、その短所が誇張されて際立つようになります。長所に注目すれば、脳がその長所を活かそうとする能力が増大します。先の例で言えば、「自分の思い通りには話せなかったけれど、相手の反応をみると伝わっている部分もある」とできている部分にも注目することが大切です。

 

  失敗ばかり気にしていると、「また失敗してしまうのではないか」という意識が増大して、本当に失敗してしまいます。その結果、「学習性無力感」(失敗を重ねるうち、たとえ簡単に成功できることでもやらなくなってしまうこと)に陥ってしまうかもしれません。

 

 最後に、もちろん、「不完全であること」を言い訳にしてもいいということでありません。「何でも、不完全でもいいんだ」を言い訳にすると、責任回避の手段になってしまうことがありますので、この点はくれぐれもお忘れないように。